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ぼくのなつやすみ

私が小さい時の夏休みのメインイベントはおじいちゃんの家に行くのが恒例行事だった。おじいちゃんの家は静岡の中でも特に田舎にある。周りに家が全くないような場所だ。

僕はそこで夏になるたび従兄弟のお兄ちゃんたちと遊ぶ。父は3人兄弟の末っ子なので従兄弟達はみんな歳上である。二人兄弟の兄である僕は遊んでくれるお兄ちゃんがいることが嬉しかった。昼間は山を冒険したり川で遊んだりする。川にダムを建設したり、ひたすら泳いだりする。おじいちゃんの家の裏の川で遊ぶのでお父さんが見てくれている。何かあっても安心だ。夜になると僕はおじいちゃんと将棋をして遊んでいた。将棋を覚えたのは小学校2年生の時だ、それまではよくはさみ将棋をして遊んでもらっていた。″はさみ将棋ではない将棋″を覚えてから将棋が楽しくなった。僕は近所の図書館の将棋関連の本を読み漁り身近な敵である父はすぐに倒せるようになった。
当初、おじいちゃんと将棋をする時はハンデをつけてもらっていた。しかし、僕が将棋を覚えるにつれてそのハンデが少しずつなくなっていった。僕は嬉しかった。小学5年生になる頃にはハンデがなしでおじいちゃんと真剣勝負が出来るようになった。
僕は将棋の実力を当時の小学生にしてはつけた方だと思う。奨励会などが身近に無い田舎の静岡で自分なりに独学で将棋を勉強した。その結果、小学生将棋大会では15連勝をして賞品を貰うことが出来た。これを報告した時のおじいちゃんの嬉しそうな顔が今も忘れられない。
もうあの頃とおなじ夏休みは過ごすことができない。おじいちゃんはもうこの世にいない。僕は今年もおじいちゃんのいた場所にいき、20歳になった今でも同じように弟と川で遊んだり花火をして遊ぶと思う。おじいちゃんがどこかで見ててくれていると思いながら。

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一生懸命生きています。

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