準備から前日まで
今年の夏はやたらアクティブに活動していて、飛行太郎さん(旧:開運太郎さん)の影響で富士山に登ることになった。これがマツサマークライムの始まりだった。
富士山に登るにしても準備を色々しなければいけない。下界は夏といえども富士山の標高は3,000mを超えるため夏でも冷えるので装備が必要だ。
レンタルをするか、自分で揃えるかの二択だったけれどレンタル料金があまりにも高いためワークマンで買うことにした。ワークマンはすごい。レンタルよりも安く登山道具が揃ってしまう。
靴は履きなれた雨天対応の靴にして、あとはインターネットで学びながら装備をそろえた。やたら大きなリュックサックは友人に借りた。ありがとうございます。
普段そもそも家から出ない人間が富士山に登るといっても全くイメージがわかない。とりあえずチョコレート菓子のスニッカーズなどは大量に購入しておいたが、これは後から考えると正解だった。
天気予報は台風が近くにいる影響で微妙だった。雨が降ったり、止んだりが予想された。
当日の5合目まで
遠足の前日に楽しみで寝れないタイプなので早朝2時頃に起床した。高速代を浮かせるために下道で富士吉田ルートの富士山パーキングへ向かう。(環境保護のために5合目まではバスでないと行くことができない)
あまりにも雨だった。雨すぎて笑うしかなかったが、飛行太郎さん達を待つしかなかった。暇つぶし用に持ってきたりゅうおうのおしごとの18巻はなかなかのボリュームなのに待ち時間で読み切ってしまった。こんなことならもっと多く持っていけばよかったと後悔していた。
雨が激しすぎてついにバスが運転見合わせになってしまった。このままでは5合目まで辿り着くことができない。絶望的だった。
雨で登山初心者に厳しい状況でもとりあえず5合目までは行こうねと言っていたのだが、これでは5合目までもたどり着けない。
私が富士山パーキングについてから4時間ほど経ったころ飛行太郎さん一行が到着した。たにしさんと糞リプパンダ社長(以下、パンダ社長)だ。この登山ビギナー4人で富士山登頂を目指すことになる。
合流してからしばらくすると、晴れてきた。間もなく通行止めが解除されて我々は5合目に行けることになった。ここで雨で詰んでいたルートもあったので本当に幸運だったと思う。
5合目にて
5合目では空気に慣れるために1時間ほど過ごす必要がある。ご飯を食べたり、レンタル用品を借りている人は着替えたりして過ごした。
5合目から既にトイレに入るのには100円払わなければいけない。今まで用を足すことにコスト意識を感じていなかったが突然感じるようになった。きちんと事前に100円玉は大量に用意しておいたのでいくらでも出せるぞ!といった気持ちでトイレを見つめていたが、そこまで出るわけもなく1時間が経つ。
いざ登山開始
登山開始直後にいきなり雨が降ってきた。山の天気は変わりやすいというが、変わりすぎだろと心の中でキレながらカッパを着る。カッパを着ると今度は暑い問題が発生する。これは過酷だ。思ったよりも過酷だ。登山が趣味の人、こんなことを常日頃から・・・?
すぐに雨が止み、カッパをしまい、また雨が降り、カッパを着てを何度も繰り返した。
適度に休憩を取りながら緩やかな道を進んだ。まだ余裕だった。この時は。
だんだんと過酷なルートになる。登山初心者には厳しいルートが続く。途中で仲間が骨折してしまって引き返している人もいた。登山は舐めてかかっちゃいけないなと改めて思った。遊びじゃないぞこれ。
登るしかない、登るしかないのだ。ひたすら足場を確認しながら登り続ける。私が一番メンバーの中では若いはずだが、体力には断トツで自信がないので不安だったがなんとかいけた。少し外に出て運動しておいてよかったと思った瞬間だった。
そして暗くなる道
だんだんと暗くなった時にヘッドライトを忘れたことに気づいた。懐中電灯しかないのだ。
これが少し大変だった。懐中電灯で足元を照らしながら進んでいく。山小屋は8合目にとってある。
〇合目まであと○○分という標識を見ながら愚痴をこぼし、登っていく。1人だったら絶対に無理だった。愚痴を言い合える仲間がいてよかった。
暗くなる道はシンプルに怖い。ルートが整備されているとはいえ、足が滑ったら本当に死ぬ可能性がある。(本当に死ぬと思う)
8合目に近づくにつれて山小屋もだんだんと増えてくる。我々の山小屋は上の方なので、あといくつと数えながらひたすら上に進む。上に進むしかできないのだ。
8合目到着・就寝
午後7時10分頃に山小屋に到着した。全員の身体はまぁまぁボロボロだったと思う。ここで休息をとることができる。嬉しい。
汗もかいているし、身体は汚れているが水は貴重でシャワーも歯磨きもできない環境だが贅沢は言ってられない。山小屋の4人部屋・・・部屋と行っても寝るためだけのスペースで荷物を整理して夕食に備える。
疲労からか、レトルトカレーのはずなのに美味しすぎてビックリした。反則だろこれと何度も思う。
トマトやハンバーグがあるのも嬉しかった。もう何を食べても嬉しい状態になっていた。食べ物って本当にありがたいね。生きるには、動くには食べなければいけないということを思い出させてくれる。
温かいスープにお茶があったのもとてもよかった。水は貴重だからゴクゴク飲んだ。美味すぎる。
飯を食べたらすぐに寝てしまった。午前2時起きで身体が限界だった。
眠れない夜、最高のコーヒー
思ったよりも眠ることができずに起きてしまった。富士山8合目からは下界がキラキラ輝いて見える。なんて綺麗なんだと思いながら写真で撮ろうとしても上手く映らない。本当にキラキラしていて、空気の関係かわからないが、キラキラしているものがゆらゆらと震えているようにも見えた。
山小屋ではコーヒーが400円で売られている。どうみてもインスタントコーヒーだが喫茶店でもコーヒーが400円くらいだと考えるとまぁ妥当な値段設定な気がしてくる。
あまりにも美味しかった。なんなんだこれは、山で飲むコーヒーはこんなに美味しいのか。そりゃ山に登るわ。みんな山に登っちゃうわ。外気温は10度台で寒かったけれどコーヒーが温めてくれる。最高以外の言葉で言い表すことができない。眠れなかったけどコーヒーを飲みながら下界を眺めていたら眠気はどこかへいってしまった。
限界登山開始・再開
結局我々はほとんどまともな睡眠をとることができずに登山を再開する。身支度を整え、冷たい朝ごはんを食べてから出発した。8合目から本8合目に向かう。上に進むには一歩一歩また進んでいくしかない。
本8合目があまりにも遠すぎて「本当に本8合目なんてあるのか?」と何度も聞かれた気がする。多分気がするだけじゃない。
登り続けて本8合目を通過するとだんだんとThe 山といった感じになってくる。地面は一層ごつごつして少しずつ頂上が近づいているのを実感できる。
我々は頂上でご来光を見ることはできなかったが9合目付近で見ることができた。やっぱり綺麗だった。
何回あと少しという単語が出てくるんだろうというくらい、あと少しという言葉を言った・聞いたような気がする。幻聴かもしれない。
みんなひたすら登っている、少しずつ休憩を取りながら登る、登る、登る。
そして頂上についた。
頂上についた時、登り切った安心感が凄かった。この時はまだ下りのほうが恐ろしいことを知らなかった。一番幸せな時間だったかもしれない。
ここからお鉢巡りをして富士山の頂上の周りを1周する。これが地味に体力を削った。
パンダ社長は若干高山病になりかけていた。危なかった。
地獄の下山
下山は地獄だった。最後の給水地点ですよと書いてあるところで水をもっと買っておくべきだったという反省。すでに登りで疲労困憊の身体を下山の砂場で足をコントロールするのは至難の業だった。
ここからSNSに一切写真が上がっていないことからもどれだけ下山がきつかったか、想像できると思う。あと○○分の看板が地獄だった。我々の登るペースは看板の標準タイムよりも早かったが降りるペースは遅かった。看板のタイム通りに降りることはできず、休憩を挟みながら降りることしかできない。
多分、私以外にも全員が下山がきつかったと答えると思う。下山を舐めてはいけない。降りるだけだと思っていたがペース配分を知らない初心者は降りる体力を残していなかったのだ。
なんとか6合目くらいまで辿り着いたとき「生きて帰ってきた~」と思った記憶がある。
途中で雨が降ったり、霧が出て前が見えなくなったりしてなかなか危険だった。
のちに飛行太郎さんと「登山で詰むとしたらどこで詰んでたと思う?」という質問をされて「下山中の低体温症ですかね」と答えた記憶がある。下山を舐めてはいけない。
富士山にはじめて登った感想
日本一の山の富士山、やっぱり登って良かった。食料はたくさん持って行ったほうがいいね。無限にカロリーを消費する気がするのでガンガン高カロリー食品を持って行ったほうがいいと思う。(素人の感想です)
あとやっぱりトイレはどうしても汚いから潔癖症の人はきついと思う。私もそこまで潔癖症なほうではないけれど、トイレが汚すぎて引いてしまう場面はあった。富士山は遠くから見る方が綺麗だよ。
でもこれで富士山に登ったことがあると言えるのでなかなかいい。富士山に登ったことがない人に対して富士山登ったマウントを取ることができる。(そんなマウントは存在しませんが)
ただ、本当に天候が変わりやすく簡単ではないと思うのできちんと装備を整えていかないと痛い目に合う気がするね。
終わってみて振り返ってみたら楽しかったな。
久々に長い記事書いたので疲れました。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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