今年度で金沢に来てから三年目になる。
僕は大学に入学すると同時に初めての一人暮らしを始めた。
地元の名産品「安倍川もち」を片手に両隣に挨拶に行く。
両隣は両方とも新入生で、安心した。
一人暮らしと聞くと「隣がうるさい」や「隣が女を毎晩連れ込んで落ち着かない」などのドラブルをよく友達から聞く。工業大学で周りの男比率が9割の大学で後者の問題は妬みの感情が8割程度混ざっており非常に難しい問題ではあるが、まだ騒音問題を経験したことがなかった。
忘れもしない3月14日、ホワイトデー北陸新幹線開業日。
私は新幹線を見るためと、イングレスのENL石川メンバーの飲み会に参加するために東海道新幹線と特急しらさぎ号に乗り金沢に帰ってきた。
(写真は名札です。)
寝ようとした22時、隣の部屋から爆音が聞こえてくる。
人生ではじめて体験する「騒音」というトラブル。一軒家で育ち騒音といえば父のイビキくらいだった私が初めて体験する騒音。とにかく寝れない。寝れない。
何度も何度も眠りに集中しようとするが眠れない。催眠導入音声でもダメだ。
YOUTUBEから鳥のさえずりと川のせせらぎの音声を広い音量MAXで部屋に流すもROCKな重低音に掻き消されてしまう。色々音を消そうとやってみたが全てムダだった。
結局彼のギターの練習は午前4時まで続いた。私も午前4時まで眠れなかった。
よくテレビで近隣の騒音トラブルが元で事件が起こっていたりするが、やっとわかった。騒音は非常にストレスが溜まる。
幸い隣人のLINEを1年生の時にGETしていた私は早速次の日にラインを送ってみた。
「久しぶり~!そういえばギター始めたの?」
いきなり煩いんですとは言えない私
「あ、ごめん!うるさかったかな?ベースは前からやってたんだけどね」
察してくれたみたいで何よりである。
「うん、寝れなかった(笑)今度から夜は控えてもらえると嬉しいな」
「了解~!」
などのやりとりを境にギターの練習音は綺麗にやんだ。
病気になった後、健康のありがたさがわかるように
騒音の後の静寂は素晴らしい。
私は理解ある隣人に感謝をしながら新学期の準備をしていた。
4月1日、エイプリルフール。新学期の始まり。
その日の夜から今日まで殆ど毎日ギターの練習音は鳴りやまない。
私も壁に穴が開かないように気をつかないながら壁ドンを繰り返している。
反応は全くない。
まだエイプリルフールは終わっていない。
いつエイプリルフールは終わるのだろうか。
最近はスタジオと勘違いしているみたいでドラムの音も聞こえてくる。
ギターの数も増えたようだ。ボーカルはまだいない。
隣人のおかげで昔から欲しかったワイヤレスのヘッドホンを躊躇なく購入することが出来た。
受験生時代に使っていた耳栓も毎晩大活躍である。
これもきっと何かの神様からのメッセージなのだ。
いつか私もバンドに参加させてほしい。
一日も早くエイプリルフールが終わる日を信じている。
(騒音対策に寝る時の耳栓は本当にオススメです。)
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